医療事故・医療過誤・医療ミスについて弁護士に相談したい患者さん・ご家族さまへ。主に近畿圏(兵庫・大阪)で活動しています。
もしかして医療事故かも…?
一度、弁護士に相談して
みませんか。
弁護士も法律事務所もたくさんありますが、どうやって選んだらよいか、ポイントを解説!
どの弁護士に頼んだらいいかなあ、というお悩みはよく伺います。
現在は、お問い合わせ等もすべてメールフォームからの対応ですが、以前はご相談のお電話があると直接出てお話していました。
その中で、特に、地理的な問題から、「お近くの先生に頼んだほうがよいですよ」とご相談をお断りすることが多くありました。
そんな時、ご相談者様が必ずと言っていいほどおっしゃる言葉がこれでした。
「弁護士はどうやって選んだらよいですか」
そこで、弁護士を選ぶときに考えることについてまとめてみます。
医療事件は、いわゆる専門訴訟で、専門家(医師)が相手です。ですから、受任した事件の遂行のためには、代理人は当該診療を詳しく理解するために相当勉強しないといけません。
「過去に同種の事件をやったことがある」ということは、一応の参考にはなります。しかし、医学は進歩していますので、過去の知見がそのまま新件にあてはまるわけでもなく、やはり勉強が必要です。(私自身、登録以来、出産時の事故について取り扱うことが多かったですが、少しずつ内容が変わってきているのがよく分かります。)
このような「事件ごとに毎回勉強が必要」ということは、医療事件を過去に何度も手掛けている先生であれば十分わかっていますので、「これが初めての医療事件です」という先生よりは、(当該診療科目は別でも)過去に医療事件を手掛けたご経験のある先生を選んだほうがよいと思います。
また、それまでの経験の中で、協力医のルートなどもある程度持っている場合もありますので、経験の意味は大きいと思います。
ネットで弁護士を探そうとすると、弁護士の検索用に作られたサイトが出てきて、「(分野)に注力している弁護士」のような特別の枠で掲載されていますね。
けれどあれは、①検索サイトに当該弁護士が月会費を払っていて、かつ、②注力分野を掲載するためにさらに費用を上乗せして支払っている弁護士が、特別枠に掲載されるような仕組みになっているのです。
数名の個人事務所より、多数の弁護士が在籍している事務所の方が、安心できる感じもしますね。でも、私としては「事務所の大きさではなくて、担当の弁護士が決まっていて、その方が最後までしっかり担当してくれるか」ということの方が大切だと思います。
これまでの経験の中で、「気の毒だなあ…」と思ったことがあります。
大きな事務所に、医療過誤事件の依頼をして、
当初A先生とB先生が担当だった。
↓
その後、A先生がその事務所を辞め、
訴訟途中で担当がB先生を新人(新規登録)C先生になった。
↓
さらに時間がたって(訴訟中に)B先生も事務所を辞め、
担当がC先生と新人(新規登録)D先生になった(ここまでが依頼から3年くらい)。
訴訟で大きな局面を迎えているが、C先生、D先生と打ち合わせをしても、当初A先生、B先生と共有していた事実関係や方針がよく伝わっていないようで、大変心細い気持ちです…
弁護士から見たら「別に(訴訟には)必要なことは分かっているから大丈夫」なのかもしれませんが、依頼者からすれば、心配・不安でしょう。C先生、D先生と、一度しっかり時間を取って面談してもらうほかありません。
医療事件は、訴訟まで含むと、解決に大変時間がかかります。調査の受任をしてから、裁判になると、一審判決が出るまででも、トータルで5年以上かかることも珍しくありません。
私が弁護士になったころ(20年前)は、独立するという以外には、そうそう事務所を移籍することはなかったと思います。
しかし現在は弁護士業界の状況も変わり、(特に若手の)弁護士が所属事務所を短期間で次々と替わることも珍しくありません(これ自体は良い面もありますが)。
多数の弁護士で構成されている事務所でも、「登録期の浅い先生の数が多い」という形の事務所は、入所した弁護士がその事務所に定着せず、入れ替わりが多いことを示しています。(登録期=弁護士登録をした時期)
しっかりとした引き継ぎがされていれば担当が交代してもよいのですが、医療事件は経過の把握等々に加え、協力医との関係などもあるので、引継ぎも大変です。
話が逸れますが、担当裁判官も途中で交代することがあります。でも、裁判官の場合は「訴訟に出ている書面の範囲で」フォローしていただければよいのです。
しかし、患者側の代理人は、資料(事実に関する資料、医学文献等々)の取捨選択、方針(毎回の準備書面ごとの方針も含みます)を決定するまでの思考過程等々、訴訟になるまではもちろん、訴訟に書面として出したことの裏でその何倍ものことを考えているのです(これは他分野の事件でもみんな同じですが、医療訴訟はそれが特に込み入っているのです)。
その思考過程は、具体的には、例えば、カルテ数百枚ぺージ~、医学文献数十通~、協力医の意見等々をベースにして、相手方との攻防の中で組み立てられます。ですから、少なくとも私の場合は、それを考えていた私の脳みそ?をまるごと他の人に引き継ぐといっても難しいのです。うまく引き継ぎがされないと、一貫した訴訟活動ができるかにちょっと不安が残ります。
ですので、特に(弁護士の入れ替わりも多いような)現在は、「担当のその先生」がしっかり最後まで見て下さるかどうかを大切にした方がよいと思います。
でも「担当のその先生」に何かあったらどうしよう…
私は、医療過誤事件は、自分一人では受任せず、誰かと一緒に事件にあたるようにしています。ひとつの事件をふたりの目で見ると、補い合って、より深く考えられるようになりますし、万一何かがあっても、支障を生じなくて済むからです。パートナーには、私から見て、信頼のおける方を選んでいます。
都市部ではない地域にお住いの方から「地元の先生じゃなくて、都会の先生に頼んだほうがいいですか?」と聞かれることもよくありました。
これに対しては、私は「依頼する弁護士は、近いところの先生の方がいい」と思っています。私自身は、相手方(医療機関)は遠くても全く構わないのですが、ご依頼者様は近くで、必要な時に十分な打ち合わせができる、というのが大切だと考えています。(最近は裁判のIT化が始まってきて、遠方の裁判期日に出向かなくてもよいような方向に進んでいます。)
都市部ではない地域の方からは「相手方医療機関が大病院(地域の中核的な病院)なので、(田舎だと)自分が頼んだ先生が、裏で相手方とつながっているのではないか? また、大病院が相手であってもきっちりと戦ってくれるのか?」というご心配をよく伺います。
この心配に対する私の一番のおすすめは、医療事故情報センターの正会員の先生を選ぶこと、です。
医療事故情報センターは、患者側代理人をつとめる弁護士の集まりで、ここには「患者側のみを務める代理人」しかいません。ですから「相手方(医療機関側)とつながっている」ということはありません。
患者側の代理人をやっていると、大学病院や公立・準公立などの地方中核病院を相手にすることも多くなりますが、相手方の病院規模の大きい小さいは受任の時は全く気にしていません。医療機関の規模を気にするのは、医療水準を考える時だけでしょうか…(姫路日赤事件 最高裁平成7年6月9日判決)。
医療過誤事件では、取り扱う弁護士も少なく、価格競争のようなことは起きていませんが、他の類型の事件を見ると「着手金無料」とか「完全成功報酬制」とか、そういう形で弁護士費用を設定しているのをみかけます。医療過誤事件を「着手金無料」とか「成功報酬制」とかで受ける先生が、もしいらしたら、ちょっと魅力的ですね。
でも…
どのような事件類型でも同じだと思うのですが、弁護士を選ぶときに「費用(値段)」だけで決めるのはちょっと危険な気がします。
紛争解決には、時間がかかります。その間、ご依頼者様と弁護士は、互いに信頼関係を維持しながら進むことになります。すぐ終わる事件だったら、あまり気にならないとは思うのですが、特に医療事件は紛争の解決までかなりの時間を要するので(本当に5年とか普通です)、その間、頼んだ弁護士と信頼関係を維持できるかどうかが満足度に結び付いてきます。これを、費用(値段)だけで決めるのは、勝手な見方かもしれませんが「結婚相手を相手の年収で決める」に近い感じがします。(互いにそれでO.K.なら一番良いのですが。)
結婚相手を考える時のように、何人かに会ってみて、自分の思いや考えを共有できる方にお願いしたほうがよいと思います。
私のところで無事解決したお客様から寄せられたお声を見ても「複数回ってから決める」ことをお勧めされている方もいらっしゃいます。
これまでさまざまな研究会や勉強会などで勉強してくる中で、大変尊敬している、弁護士安原幸彦先生(東京南部法律事務所、医療問題弁護団代表)から、何度かこのようなご指導をいただきました。
「スキルとマインドの両方が大切です」
スキル(技術)とマインド(姿勢や価値観)。両方を高めていかないといけないなあ、とよく考えています。
ご依頼者様側から見ても、弁護士の持つスキルに注目されることはある意味当然ですが、長い期間にわたって信頼関係を維持していくことを考えると、その弁護士が持っているマインドが自分に合うか、という側面からの検討も大切だと思います。
(2024.12.31 追記)
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