医療事故・医療過誤・医療ミスについて弁護士に相談したい患者さん・ご家族さまへ。主に近畿圏(兵庫・大阪)で活動しています。

医療事故・医療過誤(患者側)事件に集中して取り組んでいます

弁護士 小野郁美

くすのき法律事務所(兵庫県弁護士会所属)

〒650-0015 神戸市中央区多聞通3丁目2番9号 甲南スカイビル710号室

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協力医=患者側に都合のいい意見を下さる医師、ではありません!

協力医について

協力医からのアドバイスはとても大事です。

医療過誤事件に取り組むにあたって、専門医のアドバイスは必要不可欠です。患者側の弁護士に対して、何らかの形でご指導・ご援助して下さる医師のことを「協力医」と呼んでいます。

協力医と出会う方法にはいくつかあります。弁護士加藤良夫先生と弁護士増田聖子先生のご著書では、協力医と出会うきっかけについて紹介型(紹介を受ける)、同席型(何かの機会で同席して知り合う)、いきなり型(面識がないところ、お手紙を書くなどの形で面談をお願いして会っていただく)、関わり型(そのケースに前医や後医などでかかわっている)の4つに分類されています(加藤=増田『患者側弁護士のための実践医療過誤訴訟』日本評論社、2004年)。

 なお、協力医のご協力の度合いは、裁判で名前を出して意見書を下さる方から、絶対匿名でこっそりと意見を下さる方まで、さまざまです。 

 誤解されている向きもあるかもしれませんが、協力して下さる医師は「原告(患者)に有利な意見をくれる医師」ではないということです。どの先生にも「中立・公平な」「専門家の立場から」ご意見を下さるようにお願いしています。ですから、いただいたご意見は、必ずしも患者さんにとって有利になる内容であるとは限りません。当職が、文献などを基に考えていた筋道について「それは難しいですよ。」と否定されるようなことももちろんあります。

協力医と面談する前には、カルテをよく検討します

協力医との面談に際しては、事前にカルテをすみずみまで読み込み、関係する基本的な文献を読み、自分なりに事件に対する考え(疑問点)を持って面談に臨みます。通常の場合は、協力医にも事前にカルテと当職の質問事項もお送りした上でお会いしていますので、争点(当方が抱いている疑問点)について話が弾むのです。

 

「○時までに、××△△…というカルテ記載がありますので、この時点で○○の疑いを持つのが通常ではないですか。この時点で○○を疑ったら、即時に□□という検査をするべきだったのではないですか。」

「この場合、まだ▲▲であって○○を疑うまでは難しいからしばらく経過観察とするのも合理性があると思います。しかし経過観察としても、時ころに☆☆がみられていますので、この時点では○○の可能性を視野に入れて

 

 こういうやりとりの中で、協力医と、カルテ記載等から見られる患者さんの状態、そこからどのような医学的な判断が導かれるか、またその時しなければならない検査や処置は何か、など、事件の輪郭が浮かび上がってくるのです。

 

私は、協力医の中に「真のプロフェッショナル」の姿を見ます。この、真のプロフェッショナルの姿を見ることが私の心からの喜びです。患者側代理人を務める中で得られる喜びは他にもありますが、素晴らしい協力医と巡り会ってお話しすることは、その喜びの中でも最も深いものの一つです。

 誠実な協力医の先生は、たとえ、患者側に不利な意見を下さる時でも、そのような意見に至る前提たる事実をはっきりさせ、判断根拠を明らかにしてご説明下さいます。

ですから、相手方の責任追及にいたらないと判断されるケースでも、協力医からの丁寧な説明や分析の内容を聞いて、納得されるご依頼者様も多いのです。

一審で原告側の主張が認められず、控訴審で争いました。

ただ、なかなか患者側に協力して下さる医師が見つからないのが難しいところです。

 以前、いわゆる「いきなり型」で、とある学会の権威の先生にお手紙を書き、ご面談いただいたことがありました。そのケースは、第一審で、主張立証を分かりやすく工夫し、裏付けとなる医学文献を多数提出したにもかかわらず、医学的に誤った認定の上で判決がなされたのです。私たちは、控訴審を引き続き担当し、一審判決の認定が誤っていることを明確に指摘する、医師の意見書を獲得できないか活動していたのです。

 面談に応じて下さったその先生は、私と相代理人が事案と一審判決の内容を説明するのをじっと聞かれましたが「意見書はちょっと考えさせて下さい」と留保されました。後日ご連絡があって意見書をいただくことができ、裁判は控訴審で逆転して患者側の完全勝訴になりましたが、先生は後で「あの時引き受けるには相当の覚悟が必要だった。」とおっしゃっていました。学会のトップの立場、その分野における日本の権威的なお立場であってもなお、裁判で患者側のために意見を述べるというのは極めて大変であることを強く感じました。 

 日々忙しい臨床の場にあり、ある意味「明日は我が身」で、患者側に協力したことが知られれば同業者からの批判もあるかもしれません。それでも「大変さ」を超えて、「公正・中立な立場で、専門的知見をもって」ご意見を下さる先生方に、「医師としての良心」や「真のプロフェッショナル」を見るのです。

(追記:もし、これを見ている医師の先生で「公正中立な立場からの意見を求めているのなら、協力医になってもいいかも…」と思われた先生がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡下さい。秘密は堅く守ります。)

(2022.2.20修正)

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